彼の居る場所
 
 
 
 
「ここにダイは居ない。だから捜索は打ち切る」
「ポップ!」
「勘違いすんなよ。地上には、って事だ」
「魔界、か?」
「ああ。天界か、はたまた異界か、と当たりをつけるのに手間取ったが、間違いないだろ、幸いだよ」
「何が幸いだって言うの」
「繋がっているからさ。そこかしこに綻びがあんだろ。人が通るにゃ適してねーけど。ま、あとはタイミングと、力技だな」
「いつの間にそんなものを調べていたの?」
「ん―まぁ、合間合間に、だな。地上に居ないだろうってのは、割と早くからわかってた。メルルが感知できねーってのがその最大の理由。けど可能性はゼロじゃなかったし、勿論手は抜いてなかったぜ?だけど俺が真の目的としていたのは道探しだったってぇわけ」
「だから貴方よく行方をくらましていたのね」
「メルルは気づいていたの?」
「いえ。ポップさんの考えの全てがわかるというわけではないんですよ。そうだったら良かったんですけど」
「メルル」
「うふ。冗談です。そんな顔しないで下さいね、マァムさん」
「………手段があって、機会があって、ある程度の予備知識がもてる。上等じゃねぇか」
「予備知識?クロコダインとか?」
「ラーハルトさんも」
「確かに、魔界の事を聞かれた事はあったが、そのような意図があったとは初耳だな」
「俺もだ」
「不確定な事は言えねぇから。ま、メインの情報はあんたらじゃなかったぜ」
「?」
「年季入ってるけどな―、知識量から言ったら格段に差があったわ。その分見返りが必要だったけど」
「それは」
「――ま、良い酒かついでいきゃぁ肴代わりの話してくれたから」
「ロン・ベルク、か」
「あの腕が本調子だったら、魔界行きの同行も頼んだんだけどよ。あの剣技は半端じゃねぇし」
「・・・・・・・・・・」
「ま、ないものねだりしてもしょーがねぇよな」
「情報ぐらいならともかく、手助けまではしてくれないんじゃないかしら?」
「ちっち。そこはそれ、魚心あれば掌って奴だろ」
「賄賂なんて効く相手かしら。お酒は好きみたいだけど」
「幾ら美味い酒でも、それだけじゃぁ動いてくれねーさ。それよりも、普通じゃ手に入らねぇ原料の方が誘いの手にはなる」
「原料ってそんなのオリハルコンでもないと」
「覇者の剣はダイくんの剣に使ってしまったし」
「灯台もとくらしってな。幸い回復呪文が効果あるからな〜。でも、ま、腕一本もありゃ相当なもんだろ」
 ちろりとポップの目が銀色の体を持つ男の方を向く。その視線の意味は考えるまでもなく明らかだった。
「てめぇっ!俺の体狙ってたのか?」
「人聞き悪ぃ」
「まんまじゃねーかっ!くそぉ、これだから人間って奴は」
 ごちるヒムに対し、周囲の者は手を振って「それはポップぐらいだ」、と否定する。仮にも仲間であった者を収賄代わりに考えるような奴と同一にはされたくないからだ。
「まーまーベホマズン使ってやるから」
「お前、そんなの使えるのか?最上呪文じゃ」
「日々修行を怠ってねぇから」
 にやりと笑うポップに皆は感心を通り越して呆れきった視線を向けるのだった。
 
 
 
[ date: 2005.05.05 ]
 
 ダイを探すポップの話。――台詞ばかりだな。
 
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